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「そこにある流れ」 Symbiosis 004
あるメディアの情報によって、山村の土地に作られたダムから汚染した水が流されていたことを知った。その情報は今まで見てきた美しい景色を一変させ、今まで見えていなかった内側の景色が見えはじめた。山村に残されたかつての賑わいと訪れるたびに埋もれていく川底、押し寄せる土砂の驚異に抗い続ける人々の営みから、土砂を搔き分ける重機音が山肌に反響している。
結果として汚染した水は海の生態系に大きな影響を与えてしまっているという。
ただ、私はその原因を追究しているわけでも、それを批判しているわけでもない。
想定を超えた自然の力が人間の行動を狂わせ、その力を制御するなかでこの流れが出来ているようにも思う。
その景色を見ていると、人間は本当に自然を破壊しているのか、それとも我々が破壊されているのか分からなくなる。
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