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original work

001 静けさの先にあるもの 2012-2016

私が初めて冬山の静寂な景色に魅了され、山間のなかで自然や人々が創り出す形の美しさと、そのなかで鮮明に聞こえてくる山村の人々や野生動物、植物や鳥など、その一つひとつが奏でる静かな音の景色。

002 けもののにおい 2016-2019
狩猟解禁となる冬山のなかで繰り広げられる人間と野生動物が共存する世界。狩猟を通し垣間見てきた命を奪う瞬間。そこには長い時間をかけて紡いできた人間と野生動物の本来の姿がある。

003 風の痕跡 2016-2018
冬山の過酷な自然環境のなかで生き物はどう生きているのか。
狩猟を通し「死」を考えることで見えてきた命の循環。冬山に残された生き物の痕跡から、何を見て、何を食べ、何処へ向かったのか。その足音や鳴き声を想像し力強く生きる「生」の痕跡を辿る。

004 そこにある流れ 2016-2020
自然がもたらす大きな力と、人々の行動が交わることで流れのようなものが創り出されている。
訪れるたびに変形していく川の水路や川端へ積み上げられていく土砂の山、真新しい砂防堰堤や濁流が残す多くの爪痕、川底へ埋まる吊り橋の痕跡や終わりの見えない重機音の響き、汚染された淡い緑色の静かな湖面や集落に残るかつての賑わい、ここで起きたこと、そして、ここから始まった流れは、止まることなく流れ続けている。この流れを自然と人間の一つの繋がりとして考えている

​URASHIMA

  香川県・荘内半島。私が初めてこの地を訪れたのは2003年の夏でした。当時、各地の灯台を目的地に旅をしていた私は、荘内半島 にある仁老浜へたどりつきました。荘内半島は、日本童話 で有名な「浦島太郎」ゆかりの地と伝えられ、この仁老浜では太郎が老人になったあと、余生をおくった場所と言われています。荘内半島の灯台へ行くには仁老浜から続く道があり、そこから約40分ほど山道を歩くとたどり着く場所にあります。夏の炎天下の中、灯台から疲れ果てて帰ってきた私を、仁老浜に住む一人の男性が家に招き、昼食をご馳走してくれました。居間には彼の家族が集まっていて、そこには生まれたばかりのお孫さんもいました。私はお礼として家族写真を撮り、旅が終わってから写真と御礼の手紙を送りました。それをきっかけに、私たちの文通が始まりました。彼からの手紙には、子供たちの成長、畑や海の様子をはじめ、 朝早く漁に出る船、四季折々の景色や花、瀬戸内海に沈む夕日といった穏やかな日常が綴られ、手紙が届く度に荘内半島の景色を想像し、そこから流れ出る静かな時間を楽しみました。年に数回の手紙のやり取りによって、互いをゆっくりと理解しあい、いつの間にか家族のような温かさを感じるようになっていました。それから丁度8年がたった2011年の夏、私は再び仁老浜へ向かいました。

それから数年がたった現在も、文通は続いており、四季 折々の景色のなかで家族が元気にすごし、子供たちが成長する姿を私も一緒に見続けています。 

写真は2011年と2017年の出会った頃と同じ夏の時期に撮影しました。手紙というツールを通して、仁老浜の家族と私自信の縁を結んできた暖かな家族の記録写真です。

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