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「風の痕跡」
崩れかけた廃道と過疎化が進む集落、冬山はその物寂しさをいっそう際立たせた。
凍てつくような寒さが土や川を凍らせ、植物は成長を止める。多くの生き物が眠りについた静寂な森のなか、わずかな生き物たちのひっそりと生きる気配を感じる。林道や森のなかで見かける動物の残す痕跡、そして食い荒らされた死骸。その姿から厳しい環境のなかで生きる過酷さがにじみ出ていた。
狩猟を通し垣間見てきた「死」の瞬間。それを機に冬山のなかで見えはじめた命の循環
新雪の上に残された鹿の足跡を見つめ、何を見て、何を食べ、何処へ向かったのか。その足音や鳴き声を想像し、力強く生きる「生」の痕跡を辿る。
2017-2019
Symbiosis 003
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