二ロマの手紙
2011年


2017年
にろま
香川県・荘内半島。私が初めてこの地を訪れたのは2003年の夏だった。当時、各地の灯台を目的地に旅をしていた私は、荘内半島 にある仁老浜へたどりついた。荘内半島は、日本童話 で有名な「浦島太郎」ゆかりの地と伝えられ、この仁老浜では太郎が老人になったあと、余生をおくった場所と伝えられている。荘内半島の先端にある三崎灯台へ行くには仁老浜から続く道があり、そこから約40分ほど林道を歩くとたどり着く場所にあった。夏の炎天下の中、灯台から疲れ果てて帰ってきた私を、仁老浜に住む一人の男性が家に招き、昼食をご馳走してくれることに。そして、居間には彼の家族が集まっていて、そこには生まれたばかりのお孫さんがいた。私はお礼として家族写真を撮り、旅が終わってから写真と御礼の手紙を送った。そのことがきっかけになり、私たちの文通が始まった。彼からの手紙には、子供たちの成長、畑や海の様子をはじめ、 朝早く漁に出る船、四季折々の景色や花、瀬戸内海に沈む夕日といった穏やかな日常が綴られ、手紙が届く度に荘内半島の景色を想像し、そこから流れ出る静かな時間を楽しんだ。年に数回の手紙のやり取りによって、互いをゆっくりと理解しあい、いつの間にか家族のような温かさを感じるようになっていた。その後、8年がたった2011年の夏、私は再び仁老浜へ向かった。
変わらない村の景色のなか、成長した子供たちが遊んでいる。一瞬、それはまるであの頃の私のまま時間が進んでいたかのような錯覚を感じた。
写真は2011年の8年ぶりの再会と、その後6年経った2017年に訪れた時に撮影した。数十年と経った時間のなかで、たった数回しか訪れていないが、手紙のなかにあった言葉がずっと同じ時間を過ごしたかのように思えた。
この写真は二老浜の暖かい家族との出会いから始まった私とその家族をつなぐ記録写真。











































